南からの反攻

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一章　南からの反攻

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　太平洋戦争は真珠湾と東南アジアに対する日本の奇襲によってはじまり、開戦とともに米英の海上および航空勢力は一掃された。
　優勢な海空軍力に援護された陸軍はマライ（現マレー）、ビルマ　（現ミャンマー）、インドネシアなど東南アジア各地に進出し、アメリカのアジアにおける前哨であったフィリピンの首都マニラも日本軍の手におちた。
　このあと連合国軍は、オーストラリアを拠点に対日反攻を企て、戦局の焦点はフィリピンとの中間にある南西太平洋のニューギニアやソロモン諸島をめぐる攻防に移る。
　一九四二年六月のミッドウェー海戦では日本海軍は大敗して主力空母を失い、翌年二月には六ヵ月の死闘ののち日本軍はガダルカナル島から撤退する。
　これ以後アメリカを中心とする連合国軍は、優勢な空軍力を背景に、太平洋の島づたいに本格的な反攻作戦を展開してゆく。

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マニラ市内を行進するフィリピン初の補助看護婦部隊。フィリピン駐留の米陸海軍は、日本軍の仏印進攻の情報に警戒態勢にあった＝1941年12月1日（AP）
日本軍の爆撃で黒煙を上げるマニラ湾カビテの米海軍基地。写真は港内の艦船から撮影＝1942年3月（ACME）
戦火を避け、家財道具をカラバオ（水牛）車に積んでマニラを脱出するフィリピン人家族＝1942年3月30日（AP）	日本軍がルソン島に上陸したため、鉄橋の爆破準備をするフィリピン人技術者＝1942年3月31日（ACME）
フィリピン・マニラ湾のバターン半島で地元民と同じ食糧を与えられる日本軍捕虜。バターン半島が日本軍に占領される直前撮影された＝1942年4月10日(ACME)	バターン半島で腹部を負傷、米軍医療チームの手術で一命を取りとめた13歳のフィリピン人少年＝1942年4月12日（AP・ACME)

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ニューギニアのサノマウアの空港で黒煙をあげるニュ－ギニア航空の格納庫。
日本軍はここを航空隊基地に利用しようとしたが、連合国軍は融底的に破壊した。

日本軍との戦闘に備え整列するニューギニアの地元住民警察部隊
＝1942年3月9日（AP）

オーストラリア総督府のニューギニア地方行政府に召集され、
小銃訓練のため広場に整列した地元住民警察部隊。
六ヵ月の訓練の後、制服、小銃、弾薬、手錠などを支給された。
靴は必要ないとされた＝1942年7月7日（ACME）

ニューギニアのパプア半島南岸、ポートモレスビーに上陸した米軍部隊。
約六〇キロ東のオーエン・スタンレー山脈では戦闘が展問されている
＝1942年9月（デーリーニュース）

英領ニューギニアで米軍向けの労働を終え、給料の受け取りに並んだ地元の少年たち
＝一九四二年十一月（デーリーニュース）

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日本軍の撤退で遺棄された物資を調べる米軍兵士。＝1942年3月、日本軍はニューギニアに上陸、ここからオーストラリア攻略を策して、膨大な食糧品を運び込んでいた＝1942年11月(ACME)	ニューギニアのブナに至るジャングル道路で砲撃と空爆で破壊された日本軍戦車。日本軍は連合国軍が追撃できないほどの速さでブナから撤退したと伝えられた＝1942年11月（AP）
ニューギニアのブナ戦線で力尽きて倒れた日本兵を囲む米兵＝1942年12月（AP）	ニューギニアのジャングルで小休止する米軍部隊の脇を補給物資を担って基地に向かう地元の“運び屋” ＝1942年11月13日、検閲済み(ACME)
ニューギニアのジャングルで機械化部隊を通すため山中の谷川に急造の橋を架ける米豪連今部隊。ブナを制圧した連合国軍は、再上陸を試みた日本軍に激しい攻撃をかけた＝1942年12月、米陸軍撮影（AP）
ブナ戦線の後方で負傷米兵を野戦病院に運ぶ途中休憩する島民たち、米軍はブナの日本軍を撃退、西方のサナナンダに向け転進した＝1943年1月、米陸軍撮影（AP）
ニューギニアのブナの海岸に横たわる日本兵の遺体。後方の小型艇で再上陸を試み、失敗した＝1943年2月、米陸軍通信隊撮影（AP）	ニューギニア北東岸のブナ海岸に横たわる日本軍兵士の遺体。写真説明には「ラジオ・トウキョウは昨日、ニューギニアとガダルカナルの日本軍は所期の目的を達成して撤退した、と伝えた。日本軍はニューギニアとソロモン作戦で 1万6734人が戦病死したことを認めた」とある＝1943年2月（ACME）

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ニューギニアのブナ攻防戦で滑走路端のココナッツの林はオ一ストラリア軍の砲撃で幹だけが残った。最新の情報によると日本軍はパプア半島から敗走し、連合国軍航空機の激しい爆撃を受けている。＝1943年2月6日、検閲済み（ACME）	ブナ攻防戦で丸裸になったココナッツ林を通る地元島民父子＝1943年2月（AP）
ニューギニアのジャングルを横切る道でぬかるみにはまった米軍の軍用トラック。先頭のトラックはもう6回もぬかるみにはまり込み、今回は牽引されて脱出した。＝1943年6月12日（AP）
ニューギニアのジャングルに米兵が立てた道路標識。「東京まで4365マイル」と書かれた爆弾の標識はドゥーリトル爆撃隊（右注）の東京初空襲を示している＝1943年4月（ACME）	南太平洋ソロモン諸島のラッセル島で日本軍兵士の墓を見る米軍兵士と地元島民＝1943年5月6日、検閲済み(ACME) （左注) 1942年4月18日、太平洋上の米空母ホーネットから飛び立ったＢ25爆撃機隊（指揮官ジェームズ・ドゥーリトル陸軍中佐）が東京を初空襲。爆撃機隊は16機。うち15機は中国上空に到達したが、夜間だったため、乗員はパラシュートで脱出、15機とも損失。 1機はウラジオストクに無事着陸したが、機体はソ連に押収された（「ニミッツの太平洋海戦史」より）。
ニューギニアを訪問、パプア人歩兵部隊を閲兵するオーストラリア総督のゴーリー卿＝1943年6月14日（AP）
ニューギニアのナッソウ湾で負傷、地元島民に担がれ後方に運ばれる米兵。写真は連合国軍がナッソウ湾を日本軍から奪還した2日後に撮影された＝1943年8月（デーリーニュース）	ニューギニアのワウヌボ地区で米軍の補給物資を運ぶ地元島民＝1943年7月25日〔デーリーニュース〕

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ソロモン諸島ニュージョージア島のムンダ航空基地は地上戦に先立ち、米軍の激しい砲爆撃を受けた。破壊された野砲の前に横たわる日本軍砲手の腰には日章旗が巻きつけられている＝1944年8月20日、米海兵隊撮影(ACME)	ニューギニアの上ラム渓谷を前進中、日本軍の機関銃陣地を攻撃したオーストラリア軍パトロール隊。右下の「甲弾」を書かれている箱は弾薬か＝1943年11月22日（ACME）
ニューギニアのウエワク港を低空爆撃する米軍忖爆撃機（右上）。日本の貨物船に至近弾が落ち、水煙を上げている。下は爆撃を避けてジグザグに逃げる小型船。ウェワクはラエ、サラマウアの日本軍への重要な補給基地。連合国軍はサラマウアを擺保し、ラエまで2マイルに迫った＝1943年9月15日、米陸軍航空隊撮影（ACME）
米第5空軍に爆撃される日本軍のニューブリテン島ラバウル基地。Ｂ25軽爆撃饑が下の貨物船に爆弾を投下、通過した＝1943年11月2日（米陸軍航空隊）	米軍の空爆で炎上するラバウルの港湾施設と沈没する日本の貨物船＝1943年11月2日（ACME）
1943年11月4日発表されたマッカーサー連合国軍最高司令官のコミュニケは「西南太平洋の日本軍の土要基地ニューブリテン島のラバウルはばぼ全滅した。 11月2日の米第5空軍の空爆の結果、ほとんどの艦船が1000ポンド爆弾で沈没または大破した」と述べている。前方は黒煙を上げる日本のラバウル基地施設と炎上する貨物船（ACME）
ニューギニアのサイドルで捕虜となり、スポンジで体を洗う日本兵と遠巻きに見る米兵。米軍は1944年1月3日、サイドルに上陸した＝1944年1月（AP）	ニューギニアのサンガ河地区で、撤退した日本軍から置き去りにされた負傷兵。米軍の野戦病院に運ばれるのを待っている。米軍の輸血で助かったのは彼一人ではなかった＝1944年1月28日(ACME)

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ニューブリテン島グロスター岬の海岸に乗り上げた揚陸艦から上陸する米海兵隊＝1944年1月、米沿岸警備隊撮影（AP）
南太平洋の前線基地で砂浜の道路をトラックが走り回っている。米水陸両用部隊がソロモン諸島北辺のグリーン島攻略に向けた準備を進めている。グリーン島は1944年2月16日、米・ニュージーランド連合軍に制圧された（米海軍）
ニューギニア東方ニューブリテン島グロスター岬の 4日間の激戦後、新たな戦場に向かう米海兵隊員と戦車。戦車の前には日本兵の2遺体がある＝1944年3月13日米海兵隊撮影(ACME)	ニューギニア東部ニューブリテン島の西端グロスター岬に艦首を接岸させた米沿岸警備隊の戦車揚陸艦。軍用車両から歯磨き粉まで満載している＝1944年4月（米沿岸警備隊）
ニューギニアのジャングルで渡河する友軍を支援ずる米軍機関銃手＝1944年4月、米陸軍通信隊撮影（AP）
ソロモン諦島北端、ブーゲンビル島のジャングルで戦車の後ろに身を潜めて日本車陣地を攻撃する米軍歩兵＝1944年4月24日（米陸軍通信隊）
米極東空軍第15爆撃錣隊の波状爆撃で飛行機の墓場となったニューギニア・ウェワクの日本軍航空基地＝1944年10月、米陸軍航空隊搬影（ACME）

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