＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Index　　�T　　�U　　�V　　�W　　�X　　�Y　　�Z　　�[　　�\

�[　豪州作戦と印度洋作戦

大海洋作戦の展開

1　ポート・ダーウィン空襲 　二月十九日豪州本土北岸の敵最大の海空軍基地ポート・ダーウィンに対し、帝国海軍航空部隊は大挙大攻撃を敢行し、所在の敵航空兵力二十六機を全部撃墜破した。 　その他、この日の一撃で港内にいた六千トン級特設巡洋艦一、駆逐艦二、潜水艇一と輸送船九隻を撃沈、駆逐艦一を大破させ、陸上施設に転じて東西の飛行機格納庫全部三棟、兵舎二棟から更に敵の軍事中枢海軍司令部、官庁街、桟橋まで悠々爆破したのであった。 　ポート・ダーウィンは北豪唯一の海軍基地である。 　北豪のポート・ダーウィン、南豪のシドニーは、相並んで豪州の関門である。 　その一つが徹底的に爆撃されたのである。 　所在の飛行機は全部叩きつぶされてしまい、格納庫は一つ残らず爆破或は炎上した。文字通り徹底した猛爆である。 　ポート・ダーウィンが爆撃かうけるや、豪州の民心はいきり立った。 　今まで豪州が英国に尽したとことは非常に大きい。

　近くは近東戦線から、蘭白作戦など、大東亜作戦ではシンガポールから蘭印と、英国戦線の殆んどあらゆるところに出動していた。
　ところが、その豪州の頭上に、戦火が及んでみると、英国は一向救援軍を送らうともしない。
　また英国のかわりにアメリカが救援するかと思えば、こがもまた余り有効な手段を持ち合わせていない。
　豪州は『戦線の孤児である』と、カーチン首相は遂に悲鳴をあげた。

2　豪壮な印度洋作戦 top 　豪州に作戦する一方、海軍部隊はベンガル湾アンダマン島ボート・ブレアにも上陸作戦を敢行して、同島の英軍を降伏させた。 　アンダマン島はベンガル海の要衝カルカッタ、マドラス、トリンコマリ、コロンボ等のベンガル西要衝に対して、丁度扇の要めの重要な位置にあたる。 　果然四月五日からコロンボに対し、同九日からトリンコマリに対して強襲を敢行した。この強襲は航空部隊と、艦艇部隊の協力によってなされたもので、同方面に於ける英国海軍力は根本的に覆滅し、『日本は印度洋迄騏足を伸ばす事が出来ない』と盛んに宣伝していた英国の面目は丸潰れとなった。 　殊に英国海軍は大英国唯一の表看板であって、英国海軍が健在であるが故に英国の七洋制覇がなっていただけに、英国海軍頼み難しという事になると、英国内にはごうごうたる非難が巻き起こった。 　先にマレー沖海戦があり、続いてシンガポールの陥落となって、やがて英国の宝庫印度すら防衛する事が出来ない現状をさらけ出してしまった。

　印度は英国に取って物的宝庫であるばかりでなく人的供給地でもあった。
　前大戦に印度から狩り出された軍隊は百二十万の大兵であった。
　印度は英国の防衛に役立ったが、英国は印度の護りとはならなかった。
　まさに大英帝国の末期である。
　印度洋作戦の総合戦果に対する大本営発表は次の通りである。

top