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海と生物
（松江吉行著 偕成社図説文庫29 1955年刊）
1 著者のことば top
海は世界をめぐり、世界は海によって結ばれています。
私たちの生活は、一日も海から離れて考えることはできません。
毎日の食膳をにぎわす魚類、貝類、食塩などの食料品をはじめとして、交通、産業、化学工業の各面にわたって、欠くことのできない重要な役割をはたしています。
洋々としてさえぎるものもなく、深々と水をたたえた海面には、波濤が躍り、息づくように潮の干満が起り、海流が
滔々（とうとう）と流れ、深海は暗黒の中に冷く静まりかえっています。
この海にはいろいろな動物植物が、豊かに満ちあふれていて、千差万様の生滲を営なんています。
海水浴や潮干狩などにゆくたのしい健康的な海は、不思議な現象や生物たちについての「生きた教科書」でもあります。
人間の知識欲と勇気とは、古くから海洋の探究にのりださせ、限りない努力と犠性を払って、海洋の神秘を一つ一つ解いてきました。
この書は、多くの写真を補い「海と生物」の全般にわたり、できるだけやさしく、少年少女むきに書いたものです。
四面（しめん）海に囲まれた日本の若人たちは、海をよく知り、災害を防ぎ、十分開発利用して、立派な住みよい国と、海のように大らかな国民性をつちかっていただきたいと思います。
この本を書くのに、小牧勇蔵、平野礼次郎両学士にいろいろお手伝いをお願いしました。
厚くお礼申しあげます。
2 グラビア top
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深海の秘密
①深海に潜って珊瑚礁と魚類の生活を探る
②暗黒の世界に生活する深海魚
③アクアラング(水中の肺肺)をつけてレーダー・フィッシュを追う人
④深海を探るビービ博士の潜水球
⑤奇妙な姿の深海魚
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海洋に挑む科学
①アメリカ太平洋岸の「スクリプス海洋研究所」（航空写真）
②「俊鶻丸（しゅんこつまる）」船上での放射能測定
③スクリプス研究所の海洋調査船クレスト号
④海水の放射能を測定する俊鶻丸の乗員
⑤海中に降される水中カメラ
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①美しい花を咲かせる海底の海藻
②海の舞姫クラゲと奇妙な姿で泳ぐイカ
③豪州の海で釣上げられたヘビのような長いめずらしい魚
④姿態さまざまな海草類のいろいろ
⑤海底に銛（もり）を使ってサメを刺す |
⑥加上に引上げられた大きなイトマキエイ
（幅三メートル重さ四百五十キロ、右側の人物に比べそのいかに大きいかがわかる）
⑦海底の美観、珊瑚樹と海藻
⑧海草の間をゆうゆうと散歩するエビとねじれ貝 |
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①暗夜の海上に船舶の航路を守る灯台
②白波を蹴立て一路洋上をゆくアメリカの
プレジデント・クリーブランド号の雄姿
③完成も間近かにドックでスクリューの取付作業 |
④海上に留って船の航路を安全に保つイギリスの灯台船
⑤ドックに進水をまつ「すえず丸」の巨体
⑥海上の運般に活躍する大型輸送船「日光丸」の雄姿
⑦帆に風はらんで軍艦の前をすべりゆく快適なヨット |
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①大量に魚をすくいあげる漁獲の壮観
②北海の漁場に活躍するカニ工船。
甲板にあげられたカニはただちに缶詰にされる
③鯨に命中したキャッチャーボートの銛（もり）
④捕鯨船の甲板で鯨を調理する乗組員 |
⑤真珠の母貝を採集する海女
⑥港に陸上げされる海の幸
⑦極地に鯨をおうキャッチャーボートの大きな銛（もり）
⑧瀬戸内海地方に行われる製塩の風景
⑨ヒビ（杭）に張られた網に養殖されるアサクサノリの収穫 |
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