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 山内容堂の暴言
(三浦梧楼の人物評 4)

 山内容堂(旧土佐藩主)という人は、磊落豪宕(らいらくごうとう)の気象で、随分乱暴のこともやれば、乱暴のことも言う人である。
 明治四年十月、岩倉公や木戸などの洋行する時、両国の中村楼で、送別会を開き容堂も行き、蜂須賀茂詔(旧徳島藩主)も行ったのだ。
 蜂須賀が何かしきりに喋々としゃべっておると、容堂が突然、
 「盗賊の子孫の癖に、生意気なことを言うな」
 とどなったので、蜂須賀はそのまま黙ってしまった。
 「山内容堂という人は、酷いことを言う人だ」
 と言って、木戸も驚いておったが、さだめし蜂須賀が他人の批評でもやっていたのであろう。

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