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�ｺ川家康と江戸幕府
（人物日本の歴史10　監修・芳賀登、文・高野澄　学習研究社　1984年刊） 

�ｺ川家康像　数多くの戦国武将の中で 最後の勝利者となり、江戸幕府を開いた。
「関ヶ原合戦図屏風」　1600年のこの戦いは、徳川家康側の大勝利で終わった。関ヶ原町歴史民俗資料館蔵

 1 この巻の時代のあらまし top

●きびしい身分制度

　大名行列に出合った通行人は、土下座（どげざ）して、行列がとおりすぎるまでまたなければなりません。
　これはきびしい身分制度の一つの例です。
　幕府は、人々を武士と農民、町人（職人・商人）の身分にわけました。
　そしてその身分は、親から子、子から孫へと代々うけつがれるものとしました。
　身分がたかいとされた武士には、名字（みょうじ）を名のり、刀をさすなどの特別な権利がみとめられました。
　このように江戸時代は、武士を中心にした世の中といえるのです。

●さかんになる商業と交通

　年貢米や特産物は、「天下の台所」大阪を中心にあつまってきます。
　参勤交代の大名たちは、国もとから「将軍のおひざもと」江戸へとあつまってきます。
　このように、物と人の動きがさかんになるにつれて、商業や交通はますます発達していきます。
　江戸を中心にして五街道やそのほかの道路がととのえられていきます。
　大阪と江戸をむすぶ、東まわり西まわりなどの海の航路もひらかれました。
　平和がつづき、しかも世のなかの動きが活発になってくるにつれ、学問もさかんになりました。
　多くの藩には藩校とよばれる学校がおかれ、武士たちの教育にあたりました。
　町人たちは、子供たちを寺子屋にかよわせ、「読み、書き、そろばん」の勉強に力をいれました。
　武士の学問が朱子学（しゅしがく）中心だったのにたいして、庶民は生活に実際役にたつ学習が中心だったのです。

 2 この巻のおもなできごと top

注1＝室町時代の後半は足利幕府に力がなかったので、戦国時代ともいう。信長に十五代将軍足利義昭（よしあき）が追放されるまで。
注2＝安土・桃山時代の安土は信長が義昭を追放して光秀に殺されるまでで、桃山は秀吉が光秀を殺して関ヶ原の戦いで家康が勝つまでの時代。
注3＝徳川時代は徳川家康が関ヶ原で勝ってから、最後の十五代将軍徳川慶喜（よしのぶ）が大政奉還するまで。